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うなぎ好きならコレは常識。地域によって変わる食べ方を比較してみよう!

うなぎ好きならコレは常識。地域によって変わる食べ方を比較してみよう!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2019年10月24日

うなぎの食べ方が、地方によって違うということをご存知だろうか?そう、あの定番料理である蒲焼にも、違いがあるのだ。出先で食べてみたら想像していたのと別物だった……ということにならないためにも、今回は東西のうなぎの蒲焼の作り方や、そのほかの地域の独特な料理を取り上げてみよう。

  

1. 下処理の仕方

地方ごとのうなぎの食べ方の違いでよく知られているのが下処理の方法である。主に関東と関西でその違いがみられる。

さばき方

まずさばき方だが、関東は背中側を切り裂く背開きなのに対し、関西では腹開きが一般的だ。理由として武家文化の色濃い関東では切腹をイメージさせる腹開きを忌み嫌って背開きになったという説や、商人文化の色濃い関西では腹を割って話せるよう腹開きが主流になったという説などがある。また、関西では頭も尾も残してさばくのが特徴だ。焼いた頭の部分は「半助」と呼ばれ、コラーゲンたっぷりの部位で、豆腐と一緒に煮込んだり出汁取り用として好まれる。開いた身は関東流だと適当な大きさに切ってから串を刺すが、関西流では一匹丸ごと使うのも大きな違いだろう。

串の打ち方

関西では、長い金串を使って焼き上げるのが主流だ。最初に頭の部分と胴体に数本の金串を刺し、焼いているときに形くずれを修正しながらさらに10数本まで刺していくのである。いっぽう関東では、使うのは短い竹串が主流だ。これは後ほど記述する加熱方法の違いが関係している。金串だと焼いている途中に身が滑ったり崩れたりしやすくなってしまうのを防ぐためだと考えられる。

2. 調理の仕方

加熱と味付けの方法

串を打ったらすぐ焼くという関西流に対し、関東ではいったん焼いたものを蒸し、タレを付けてからもう一度焼く。実はこの「蒸し」がさばき方に違いが表れた理由のひとつでもある。関西流の腹開きだと外周部分の身付きが薄く崩れやすいため、関東では背開きが選ばれたともいわれている。

では、なぜ蒸さなければならなかったのか。関東のうなぎは水質の特性上、関西のものより泥臭く、その臭みを抜くために蒸す作業が必要だった、気の短い江戸っ子にすぐ完成品を出せるよう白焼きにしておいたものが時間の経過にともなって蒸された、など様々な説がある。一度蒸されたうなぎは身がふっくらと、皮がとろりと柔らかく上品な味わいだ。

関西流のものは蒸す工程がないが、焼きながら何度も串を持ってひっくり返す。この作業を繰り返しているうちに身が揉まれ充分柔らかく焼き上がるのだ。皮のパリパリ感がともなって、香ばしさもぐんと際立っている。余談だが関西には「まむし」という料理があり、これはごはんとごはんの間に地焼きのうなぎを挟んで蒸したものである。
また、あくまでも傾向だが、蒸す作業のない関西流は、脂の味に負けないよう甘く濃い目の味付けになっている。

3. おいしいうなぎは日本各地の郷土料理にも使われている

うなぎの食べ方は、一概に関東や関西というだけで括り切れない部分もある。うなぎの名産地である静岡県の浜松市には両者の名店がひしめき合っているし、静岡と同じ東海エリアに属する愛知県の「ひつまぶし」は、1度に3つの食べ方が楽しめる名物料理として広く知られている。ごはんものといえば、ごぼうと一緒に炊き込んだ、浜松名物の「ぼくめし」も滋味あふれる一品だ。九州の柳川なら、錦糸卵と蒲焼をごはんにのせて蒸した「せいろむし」が定番、滋賀県の湖北地方では「うなぎのじゅんじゅん」と呼ばれるすき焼き風の料理も親しまれている。

結論

地域によって色々な違いがあるのが、おわかりいただけただろうか。とはいえ最近では、関西にも関東流が進出しているし、その逆もしかりである。食べ比べてみるのも良いだろう。
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  • 公開日:

    2017年12月13日

  • 更新日:

    2019年10月24日

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